名工 幽斎作
以前からこの茶棚を作った指物師を探していましたが、やっと見つけることが出来ました。 崩し書体で
判別するのが難しかったのですが、あれこれとイメージしながらネットで指物師幽斎を検索しました。
歌本・半年輪(香蘭叢書61篇・54年発刊)の幽斎4首を発見、 著作者が松江の方と知り確信し、早速
県立図書館に行って探しましたら、在りました。 著者・松浦富二郎さんはすでに、亡くなられていて、
83歳の奥さんから、ご親切に色々とお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
家は松江大橋を北に渡った通り沿い左側にあったようで、親子2人で指物をされていたようですが、さら
に、調べて見たいと思っています。
指物師幽斎の歌を読まれたのが、昭和36年当時86歳ですので、50〜60歳の円熟期に造った作品
としましたら、私の予感どうり、最低70〜80年の年輪を刻んでいます。
木地の質といい、木目の良さに併せて、指物師の腕の良さのには、本当に見ごたえのある、逸品です。
* 桑は高級木材 木地色は淡黄色で、導管が深いのが特徴、けや木と同じように
硬木で床周りの高級建築材として使用されてきた。また建具や小物、家具から茶道
具などに好んで使われてきたが、木に心割れが入る為に広幅材は稀である 樹皮、
樹液ともに虫に好まれ虫害に会いやすく巨木に成りにくい。
木地色の変化は著しく淡黄色から赤褐色・紫檀色まで変化をする また艶が出易く
拭きこむ程に鏡面のようになると共に導管が白く浮き上がる。 などの特徴があり、唐
物とは全く違う風合いを醸し出すゆえ、桑指物師や茶人達に愛されてきた。
こじま・クラフト&美術品
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天・中ともに尺3の一枚いた、導管はバラ杢に地はトラ目杢入り、前板はゴマ杢。
創りは木口を隠すアリ仕立て止めはもちろんアリ組、黄楊の取り手、幕板の彫りの良
さ・・・どれを見てもゆうことなし。それに加え寂びが木目を引き立てる逸品です。